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掌の砂、流れる雲、それから。

掌の砂、流れる雲、それから。

平成18年5月28日・水谷修先生のお話。



平成18年5月28日・水谷修先生のお話。



武庫川女子大学・公江記念館にて。

・人間から「優しさ」を取ったら、けものと同じ。

・家庭は家族全員が美しい言葉、労わる言葉、誉める言葉を掛け合う所。
会社で苛々した気持ちを父親は母親に向ける
母親は、父親にされた事を、今度は子供に向けていく。
子供の居場所がなくなる。

・「早くしなさい」「何やってんの」「ダメなヤツ」
こんな言葉を、毎日掛けられて育つ子供のうちの7割は
外で信頼できる友人を見つけたり、信頼できる大人を見つけてこれるから、なんとかキチンと育つ。
あとの3割は、家で夜、眠れない。だから夜の世界に出て行く。

家庭は皆が安心して甘えたり、励ましたり、誉めあったりするところ。
どんな些細な事でもいい。

・夜の世界の大人は優しいよ。夜の世界は綺麗だよ。
でも、朝6時~7時までの、その場所を見てごらん。
どんなに綺麗であったようでも、太陽は騙せないんだ。

・相手を分かろうとするなら、相手の場所に行くこと。
目線をそこに合わせること。

・言葉を弄ぶ人間に、だまされたらいけない。
「愛してる」、じゃあ、愛って何だ?行動することもそう。言葉に頼らないこともそう。

・リスカは止めちゃダメ。リスカは「生きる行為」だから。
生きる行為を止められたら、生きて行けない。
大事な事は「リスカをしてる、した」という行為ではない。
「何故、そこまでしなければならなかったのか」という事まで考えないと何の解決にもならない。

・小泉改革は大失敗。本来なら、学校でも社会でも、教育をしなければならない。それを全部、家庭に押し付けるようになった。
今の子供達から見て、大人になっても良い事なんか一つもないと思っている。家庭にいる大人達が、世の中の愚痴ばかり言うから、余計にそう思っている、それは当然のこと。
だから、「今しか楽しめる時期がない」と思ってる。
本当は、そうじゃない。家庭がちゃんとそういうことを教えないといけない。
教育は「教え、育む」って書くではないか。

・子供と言うものは、元々、不完全なものである。
不完全であるからこそ「子供」と呼ぶんです。

・自分は長い教師生活の中で、たった一つ、誇りに出来ることがある。
生徒を怒鳴ったり、殴ったりしたことがない。
キツイ言葉で叱責したり、体罰を加えなくても、ちゃんと対話出来る。
そんなことをしなくても、子供は変わることが出来る。

・「自分は誰からも必要とされてない」
こういう言葉をよく耳にする。
でも決して、そんな事はない。
試しに、他の誰かに親切にしてごらんなさい。
「ありがとう」って言われると思う。
その「ありがとう」の言葉が、君を支え、君の未来を拓いていくんです。

・日本は「言霊」の国。
人を汚すような言葉、傷つける言葉は、言った方が責任を取るようになっているんです。
だから、どんな些細な事でも、誉める言葉・美しい言葉・温かい言葉を、お互いに掛け合う事が大事なんです。

・親は
「おかあさん、ありがとう。育ててくれてありがとう」
「おとうさん、ありがとう。育ててくれてありがとう」
こういう言葉を子供から言ってもらって、初めて【親】になれる。
教師でも同じ。
産んだから【親】なんかじゃ絶対にない。
そうでなければ、最近増えている虐待で亡くなる子供さん達が、余りにも可哀想ではないか。浮かばれないではないか。






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